読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



アベくん・コベくん・アベコベくん

4年1組の阿部ひろしと神戸ひさしは、二人合わせて“アベコベ”と呼ばれ、実際に体の大きさや性格、趣味なども対照的ではあったが、誕生日は同じで、なんとんなしに気も合い、いつも一緒にいることが多かった。
ところが、ある日ひろし(アベ)は、同じ日に生まれたひさし(コベ)と自分が、同じ病院、同じ部屋の隣り合うベッドに並んで寝かされていたという偶然を耳にし、それ以降、家族との趣味や癖の違い、それにコベの家族との不思議な相性の良さ、はたまた中国残留孤児である用務員さんの身の上話から壺井栄の逸話にまで、必要以上につながりを見出し、「二人の人生が入れ替わっている」と結論づけてしまうまでに発展する。
その挙句、10日間の家族交換まで実行してみた二人だったが、それまで積み重ねてきた時間という各々の“人生”そのものが、生みの親よりも育ててくれた親への想いを募らせ、納得のうちに二人を元の生活へと返らせたのだった。

浜野卓也・文
岡本順・絵

薦めたい学年:4年生半ば~5年生初


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