ところが、ある日ひろし(アベ)は、同じ日に生まれたひさし(コベ)と自分が、同じ病院、同じ部屋の隣り合うベッドに並んで寝かされていたという偶然を耳にし、それ以降、家族との趣味や癖の違い、それにコベの家族との不思議な相性の良さ、はたまた中国残留孤児である用務員さんの身の上話から壺井栄の逸話にまで、必要以上につながりを見出し、「二人の人生が入れ替わっている」と結論づけてしまうまでに発展する。
その挙句、10日間の家族交換まで実行してみた二人だったが、それまで積み重ねてきた時間という各々の“人生”そのものが、生みの親よりも育ててくれた親への想いを募らせ、納得のうちに二人を元の生活へと返らせたのだった。
浜野卓也・文
岡本順・絵
薦めたい学年:4年生半ば~5年生初
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