読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



ビロードうさぎのなみだ

クリスマスの朝、ある男の子に届けられたビロードのうさぎのぬいぐるみ。
それ以降そのビロードウサギは、男の子の“本物”になりたいと願いながら、男の子との時間の中で自分が“本物”であることを実感しながら日々を送っていたのだが、ある日男の子がウイルス性の病気を発症したことにより、身辺の物は一切燃やされてしまうことに決まる。
男の子の“本物”である自分を信じながらも、やはりガラクタ同然の別れを迎えなければならなくなった現実に対し、あきらめきれない気持ちからビロードうさぎが涙を流したとき、奇跡が起きたのだった。

ビロードうさぎだけではない。
ひとは誰でも、他のだれかの“本物”でありたいと願うものであり、そして自分こそ「あの人の“本物”」と信じていればいるほど、思いがけない別れに苦悩する。
ただ、“本物”であればこそ一時の別れさえも経験に変え、不思議なきっかけを得てまた始められる…  そんなことを教えてくれているのかもしれない。

わたしは何を話しているんだろう…

マージェリィ=ウィリアムズ=ビアンコ・作
吉永純子・訳  谷口由美子・絵
(原題:The Velveteen Rabbit)

薦めたい学年:2年生半ば~3年生初


     

     

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