山に出ている牛や羊を村へ戻すため、毎夕の笛吹きを仕事としてきたおじいさんも、70歳を過ぎ、耳が遠くなってきたために、近頃ではその役割を果たせないでいた。
そんな折、心のきれいなおじいさんは森の中で木の精と出会い、彼女を助けて“夏の間の自由”を与えたのだが、そのお礼として両の頬にキスを受け、一回のキスで10歳若返るという噂どおり、再び生きる力を取り戻す。
F=R=ストックトン・作
平賀悦子・訳
鈴木琢磨・絵
薦めたい学年:2年生後半~3年生
物語・85ページ
自然のものは全て、春から夏を経由して秋や冬を迎える。
我々は、どんなにその望みが強かったとしても、おじいさんのように若返ることはできないが、春の訪れとともに毎年芽吹きを迎える生命を目の前にして、“生きている”を慶ぶことはできそうだ。
もしかすると、そんな時に我々も、ほんの少しだけ若返っているのかもしれない。
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