読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



木の精のふしぎなキス

山に出ている牛や羊を村へ戻すため、毎夕の笛吹きを仕事としてきたおじいさんも、70歳を過ぎ、耳が遠くなってきたために、近頃ではその役割を果たせないでいた。
そんな折、心のきれいなおじいさんは森の中で木の精と出会い、彼女を助けて“夏の間の自由”を与えたのだが、そのお礼として両の頬にキスを受け、一回のキスで10歳若返るという噂どおり、再び生きる力を取り戻す。

F=R=ストックトン・作
平賀悦子・訳
鈴木琢磨・絵

薦めたい学年:2年生後半~3年生
物語・85ページ

自然のものは全て、春から夏を経由して秋や冬を迎える。
我々は、どんなにその望みが強かったとしても、おじいさんのように若返ることはできないが、春の訪れとともに毎年芽吹きを迎える生命を目の前にして、“生きている”を慶ぶことはできそうだ。
もしかすると、そんな時に我々も、ほんの少しだけ若返っているのかもしれない。


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