学校から帰ってきたお兄ちゃんに聞いた未来の話に絶望した妹が、おばあちゃんに相談すると「決まった未来などない」と教えてもらえて安心した。
そして、その話がお父さんの天気予報がはずれることにも通じていて面白く思えたので、妹は様々な未来を空想して楽しんだり、身のまわりの大人が見せてくる“決められた未来”や“決められた選択肢”をつまらなく思って、自分らしい考え方を模索したりするようになっていった。
限定された考え方からすっかり自由になった妹は、調理前のたまごにまで自由を当てはめようとしてお母さんを困らせたが、そこはこども、食べたいのはやっぱりいつものゆでたまごなのだった。
ヨシタケシンスケ・作
薦めたい学年:読み聞かせ Level 3
読み聞かせにかかった時間:10分
今作も楽しめました。毎回きちんとオチまでついていて、大好きです。
今回のテーマに関して言えば『りんごかもしれない』に一部通じるものがありました。
『りんご〜』が、目の前のコレについて、見えない“裏側”を考えさせる内容であるのに対し、今回の『それしか ないわけ ないでしょう』は、まだ見ぬ“先”について、私たちがいつの間にか狭めてしまっている“選択の道筋”を再開放してくれるような作品です。
物語絵本とは違い、読み聞かせても言語的な美しさは与えられませんが、考えるための大きなヒントをこどもたちに投げかけられます。たくさん考えごとをする子に育つ、哲学の第一歩としてオススメのシリーズです。
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