ちょうどその日に、誠たちのいる4年1組へ転校してきたみくは、若くして亡くなった三郎の娘であり、彼女もまた大きな大会で活躍するスラローム選手※だったが、素晴らしい実力を持ちながら、川の中でも学校でも、少しも偉ぶるところのないみくを認めざるを得ない一方で、負けん気の強い勇一は、カヤック修理に夢中になりつつ、梅雨時期のもどかしさも越えて、練習に打ち込むようになった。
みくが修理に加わり、次第に彼女と打ち解けるようになった勇一は、蘇った木製カヤック・カワセミ号の進水式で、以前沈められた岩場の激流に再度挑み、みくのアドバイスも受けて、それ乗り越えたのだった。
※スラロームカヤックは激流をのりこなす競技で、ごまかしのきかない正確な技術と水をよむ判断力、激流に飛び込んでいく勇気がいる。決められたゲートを通過しながらタイムを競う。
(参考に:2011カヌースラロームジャパンカップ最終戦―YouTubeより)
ライバルを持つって、大事ですね。
それも、誰にも指示されず、自分の中で「なにくそ!」と思える相手こそ本物でしょう。
「なにくそ!」なんて、言葉こそ悪いのですが、「自分だって成長してみせる!」という気持ちがあれば、悪いものは育ちません。この物語でみられる友情のように。
横山充男・文
古味正康・絵
薦めたい学年:4年生~5年生
物語・全126ページ
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