読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



つみきのいえ

海面の上昇のため沈んでしまった町にあって、家を上へ上へと建て続けることで、ただ一人、頑なにそこを動こうとしないおじいさんがいた。
ある年の冬、ふたたび上がってきた海面に合わせ、また上へと新しい家を建てていたところ、大事な大工道具が下の家へ下の家へと海の中を落ちていってしまったため、おじいさんが水中深く潜ってくと、そこはまだおばあさんと一緒に暮らしていた頃の、最後の想い出の家であった。
さらに深く深く潜ってみたい衝動に駆られたおじいさんは、潜るたび浮かぶあたたかい記憶のふしぎを味わい、新しい季節を迎えた今も、想い出の積み重なったその家の上で、満足そうに暮らすのだった。

平田研也・文
加藤久仁生・絵

薦めたい学年:読み聞かせ Level 3


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