ある日、おなかを空かせたとらくんは、道端でこってり分厚いベーコンを拾ったが、欲に負けずにキチンと交番へ届けた。
それでも、「翌日中に落とし主が見つからなければ自分のものになる」と聞いたことで、抑えたはずの食欲がふたたび頭をもたげ、落とし主が来るのか来ないのか、気もそぞろになりながら、“ベーコンひとりじめ”の夢を描きながら、期限の丸一日を過ごした。
しかしその後、ベーコンを落としたのが親友のくろくんであり、自分と一緒に食べようと考えてくれていたのだと知ると、ごちそうは“ひとりじめ”するよりも“分け合う”ほうが美味しいのだということに気がつけたのだった。
山脇恭・文
小田桐昭・絵
薦めたい学年:読み聞かせ Level 1
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