読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



やぶかのはなし

暑い真夏のある日、オスのやぶ蚊がふらふら飛んでいたのは、好物の甘い果物の汁を探すため、そしてお嫁さんを得るためだった。
彼と結ばれたメスの蚊は、たまごを産む準備に入るのだが、果物の汁だけでは栄養が足りないため、危険を冒してまで人間や動物の血を求める。
お腹いっぱい吸った血を栄養に、たまごが立派に育つよう、二、三日を木陰で安静に過ごした蚊のお母さんは、きれいで、安全な水場を見つけると、たまごを産んで飛び立っていった。こどもたちの、十日後の飛翔を願って。

福音館書店から出されている、シリーズ「どきどきしぜん」の一つです。
要約を書いているだけでも、自分の周りを蚊が飛んでいるのじゃないかとソワソワし、むずがゆくなってしまいました。
目的のために、ちょっとだけ、血をいただく。母になるときだけ。そう認識し直せれば、蚊への憎らしさも少しは軽減されるでしょうか。

栗原毅・文
長新太・絵

薦めたい学年:読み聞かせ Level 1
読み聞かせにかかった時間:5分強


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