暑い真夏のある日、オスのやぶ蚊がふらふら飛んでいたのは、好物の甘い果物の汁を探すため、そしてお嫁さんを得るためだった。
彼と結ばれたメスの蚊は、たまごを産む準備に入るのだが、果物の汁だけでは栄養が足りないため、危険を冒してまで人間や動物の血を求める。
お腹いっぱい吸った血を栄養に、たまごが立派に育つよう、二、三日を木陰で安静に過ごした蚊のお母さんは、きれいで、安全な水場を見つけると、たまごを産んで飛び立っていった。こどもたちの、十日後の飛翔を願って。
福音館書店から出されている、シリーズ「どきどきしぜん」の一つです。
要約を書いているだけでも、自分の周りを蚊が飛んでいるのじゃないかとソワソワし、むずがゆくなってしまいました。
目的のために、ちょっとだけ、血をいただく。母になるときだけ。そう認識し直せれば、蚊への憎らしさも少しは軽減されるでしょうか。
栗原毅・文
長新太・絵
薦めたい学年:読み聞かせ Level 1
読み聞かせにかかった時間:5分強
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