昔、山の上にすんでいた小鬼が話し相手欲しさに道行く人や動物たちを「とおせんぼ」することで足止めしようと試みるも、誰一人、彼を相手に歩みを止めようとする者はいなかった。
すると、一度はあきらめかけた小鬼の前におじいさんが現れ、とおせんぼの極意を伝授してくることになったのだが、家業のだんごづくりやお茶入れしか教えてもらえないまま、とうとう一年の月日が流れた。
実は、おじいさんがだんごづくりを教えていたのは、小鬼に内緒で山の上に茶屋を用意し、彼に贈ることを計画していたためだったのだが、それ以来「とおせんぼ」と名付けられたその茶屋は、山を行く人々の憩いの場となり、小鬼も大変に満足そうなのであった。
村上しいこ・文
たごもりのりこ・絵
薦めたい学年:読み聞かせ Level 1
読み聞かせにかかった時間:4分半
0 件のコメント:
コメントを投稿
ご意見・ご感想、お待ちしております。