読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



とおせんぼ

昔、山の上にすんでいた小鬼が話し相手欲しさに道行く人や動物たちを「とおせんぼ」することで足止めしようと試みるも、誰一人、彼を相手に歩みを止めようとする者はいなかった。
すると、一度はあきらめかけた小鬼の前におじいさんが現れ、とおせんぼの極意を伝授してくることになったのだが、家業のだんごづくりやお茶入れしか教えてもらえないまま、とうとう一年の月日が流れた。
実は、おじいさんがだんごづくりを教えていたのは、小鬼に内緒で山の上に茶屋を用意し、彼に贈ることを計画していたためだったのだが、それ以来「とおせんぼ」と名付けられたその茶屋は、山を行く人々の憩いの場となり、小鬼も大変に満足そうなのであった。

村上しいこ・文
たごもりのりこ・絵

薦めたい学年:読み聞かせ Level 1
読み聞かせにかかった時間:4分半


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