むかしむかし、出会ったひよこが痩せていたため、もっと太らせてから食べようという気持ちから、それを棲み家へ招き入れたはらぺこぎつねは、ひよこから「やさしい」といわれたことをきっかけに、ぼんやり良い気分を味わうようになり、その後もひよこの言葉を頼って自分の元を訪れたあひる、うさぎを丁寧にもてなすのだった。
すると、小動物たちがまるまる太ってきたあるとき、そのにおいを嗅ぎつけた大きなおおかみが現れ、彼らを襲おうとしたのだが、自分の倍も大きなおおかみに対して、きつねは逃げるどころか、少しも引くことなく勇ましく闘い、追い払うことに成功した。
その晩、恥ずかしそうに笑い息を引き取っていったきつねは、ひよこたちにとって世界一やさしく親切で、勇敢だったのである。 彼らはお墓をつくって涙したとさ。
あまんきみこ・文
二俣英五郎・絵
薦めたい学年:読み聞かせ Level 2
読み聞かせにかかった時間:6分
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