読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



ひとりざむらいとこうちょうせんせい

30年間無遅刻無欠勤、曲がり道を行くことなんて大嫌いな校長先生が、あるとき自宅からまっすぐ一本道のところに正門を移してしまったことで、旧正門前にあった横断歩道は、こどもたちに使われなくなってしまった身の上を嘆いていた。
通りすがりにそれを知ったひとりざむらいは、手前勝手な校長の成敗にのりだし、その脇目もふらない態度と健脚に悪戦苦闘しながらも、腰に差した名刀「ふしぎまる」の力で、とうとう曲がり道を進ませ、学校に遅刻させることに成功する。
それ以来、校長先生が、記録への執着を捨てて寄り道を楽しみながら通勤し、それまで気がつかなかったものごとや周囲の変化にふれる余裕を持つようになったことで、横断歩道のかなしみもまた解消されていくのだった。

斉藤洋・文
高畠那生・絵

薦めたい学年:1年生終わり~3年生初


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