読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



しっぽをなくしたイルカ ―沖縄美ら海水族館フジの物語

昨夜、以下のような知らせを目にしました。

―――――――

朝日新聞デジタル 11月2日(日)20時7分配信

人工尾びれをつけた沖縄県本部町・海洋博公園のバンドウイルカ「フジ」が1日、死んだ。推定45歳のメス。海洋博公園は「フジが残してくれたものを、お世話になった人たちに伝えたい」として、フジのパネル展開催を予定している。

 海洋博公園によると、10月8日ごろから食欲が低下して泳ぎが不安定になり、投薬などの治療を続けていた。死因は感染性の肝炎。45歳は高齢の部類に入るという。

 フジは1976年から飼われ、95年までに3頭を出産したが、02年に病気で尾びれの約75%を切除した。その翌年、タイヤメーカーのブリヂストンと共同で人工尾びれの開発プロジェクトが始まり、改良を重ねてジャンプができるまでになった。

 公園の担当者は「非常に残念だが、動物医療についての新たな知見など、非常にたくさんの成果を残してくれた」と話している。 (朝日新聞社)

―――――――

教室で夏期・読書感想文の題材として取り上げたこともありますので、非常に残念なニュースです。
しかし、2002年に尾びれを失ってから12年もの間、人工びれを装着しながら「高齢」といわれるまでを元気に全うしたのですから、フジの生きようとする気持ちと、ストレスのない人工びれづくりに奮闘された方々、その後のフジをサポートされていた方々の情熱が、素晴らしいものであったということは間違いないでしょう。
当事者の皆さんの間では、一つの現実、一つの物語が終わったような感覚があるかもしれませんが、野生の動物、それも海洋動物を、人工パーツをもってサポートされた努力が、きっとまた新たな生き物や私たちの社会、または想像もつかない何か別のことを支える柱になっていくものと信じております。


フジと人工びれ開発の努力については、以下リンク先もどうぞ参考になさってください。
沖縄美ら海水族館ホームページ
株式会社ブリヂストン・特集ページ


本日の投稿は、そのフジに関する児童向け図書を紹介させていただいて、終わりにしたいと思います。

『しっぽをなくしたイルカ ―沖縄美ら海水族館フジの物語』
岩貞るみこ・文
加藤文雄・写真

薦めたい学年:4年生終わり~6年生




『とべ!人工尾びれのイルカ「フジ」―世界初のプロジェクトに挑戦した人びと』
真鍋和子・文

薦めたい学年:4年生~6年生

0 件のコメント:

コメントを投稿

ご意見・ご感想、お待ちしております。