読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



ぼくんちのあんごう

妹ももこが3才を迎えた日、物騒な世の中を憂えたお父さんの発案で、しんた達兄妹は、それぞれの誕生日に全員の写真と指紋とを残すことになった。
押された指紋を眺めながら、それが世界に二つとないものだということに家族が感動すら覚えていると、しんたがふと、家族だけで理解可能な合言葉を作ることを提案し、楽しく議論される中で「あべこべ言葉」を使うことに落ち着いたのだが、それを試し始めるや、しんたは思いがけず爽やかさを知る。
あべこべに言うことで、むしろ素直な気持ちを表現しやすくなり、家族間のあたたかさに触れると共に、「ゲームをしなさい」と言われれば机に向きたくなり、「勉強なんかきらいだ」とつぶやけばつぶやくほど勉強が楽しくなったことが、しんたにはなぜだか嬉しかったのである。

微笑ましく読み終われる佳作です。
これを参考に、あべこべ言葉での生活を試してみて、夏の読書感想文とすることもできそうですね。
爽やかな児童書にふさわくしない表現もごく一部あるのですが、作中ですぐにそれを叱られる場面があるため、問題ないでしょう。

藤本義一・文
古味正康・絵

薦めたい学年:1年生後半~2年生


0 件のコメント:

コメントを投稿

ご意見・ご感想、お待ちしております。