読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



かみなり雲がでたぞ

ビニールハウスで養蚕をしている農家の2年生の息子いさむは、夏になるたび頻繁にやってくる雷が大嫌いであり、雷が嫌いな弱虫の自分も嫌いであった。
ある日、やはり突然の夕立に見舞われ、誰もいない家に戻ったいさむは、陽射しからビニールハウスを守るための「こも」が濡れてはいけないと、大慌てでそれらを外したのだが、直後に耳をつんざくような雷鳴に呼応して雹(ひょう)が降りだしたため、一転してまた一人、改めてハウスに「こも」を掛けなおさなければならなくなった。
家族の手助けのない中、炸裂するとどろきを相手に自分を励ましながら、蚕を守るための作業を終えた彼は、くたびれきった後にでもまだ湧いてくる力と誇らしさとを、自分の中に確認したのである。

苦手なものを前にしたとき、それを越えなければいけないと分かっているとき、自分の力がどれぐらいあるのか誰にも分かりません。また、困難に立ち向かうには、大きな勇気も必要です。
この本は、それをする誰かの頑張る姿を見せることで、そのような勇気への応援を与えてくれる一冊なのでしょう。

最上一平・文
遠藤てるよ・絵

薦めたい学年:2年生~3年生初


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