読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



なぎさの小枝

二人のほかには誰もいない春の海、おじいさんは孫娘に、渡り鳥の海の上での休み方について、「むかし、むかし、大むかし、じいちゃんが、まだ、ばあちゃんだったころに、きいた話」として語り始めた。
本来水面に浮かぶことのできる水鳥までがくわえて飛ぶという“とまり木”の小枝は、ながい旅の途中で飛ぶことのできなくなった哀しき鳥たちが、落として次へとつないだ〈いのち〉そのものだという。
渡りの季節を過ぎた春の海、波打ちぎわに寄せられた数多くの小枝の一つを手にしながら少女は、重みを感じ、自分の大切な一本を見つけたような気持ちになっていたのだった。

広く、私たちが何かの一部であることを感じさせてくれるお話です。

今村葦子・文
降矢なな・絵

薦めたい学年:読み聞かせ Level 4


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