読書も学びも積み上げていくもの



 読書も学びも、積み上げていくものです。
 各書籍の紹介ページに、「薦めたい学年」を記載しましたが、読書は何も焦る必要がないので、下から順に積み上げるように薦めてあげて下さい。 一生かけて良いものをゆっくり読んでいけばいいのです。
 「うちの子は読めるから」は多くの場合、過信です。 教室でこどもたちと接していても、入室当初から問題なく読書できる子は少ないもの。その上、きちんと矯正してあげなければ、いつまでも悪い癖が抜けません。 冊数と時間とを無駄に重ねてしまうというのが、一番怖いことです。
 ここに記した「薦めたい学年」を参考に、皆さまには適切な選書とお子様方への直接の本紹介そして、ときどき内容確認をお願いしたいところです。 まずは「当サイトの眺め方」をご覧ください。



ひらがなだいぼうけん

知っていましたか? 開きっぱなしにされた本のページでは、夜な夜な、文字たちがおしゃべりをしはじめ、自己主張して飛び出したりすることまであるそうです。
ある夜、「は」が自らの忙しすぎる身の上を少々自慢げに語りはじめると、一方で限られた出番を大切にしている「む」「め」「ぬ」や、「は」に定位置を奪われることの多い「が」などが声を揃えて反論したため、「は」は居心地が悪くなって「が」を蹴とばしてしまう。
すると、そのせいで「が」から読点が取れて他の字についてしまったり、周囲にいたひらがなたちが巻き込まれてはじき飛ばされ、形を変えてしまったり…と次から次へ騒ぎが連鎖した結果、本の内容はちんぷんかんぷんなものになってしまったのだが、明方を迎え、またいつも通り読んでもらいたいと文字たちが気持ちを一つにしたことで、危機は好機に変わり、仲良く整列し直すことができたのであった。

第1話の「い、ち、も、く、さ、ん」を紹介しましたが、まるで1年生のクラス担任でも受けもったような感覚になるお話でした。全3話が収められています。
文字のサイズ・量から、読み聞かせするか一人読み用とするか迷いますし、与える時期についても、文字がつくりだす抽象的な世界観が描かれているため決めにくい、そんな一冊です。
そこで、当室からは…
・1年生1学期中に読み聞かせ
・1学期修了後から2学期が開始される頃を目安に、各話の一人読みに挑戦(句点で保護者と交代しながら読み進めてもいいでしょう)
と、提案させていただきます。

ひらがなの習熟に関係なく、与えれば喜んでもらえる、独特な視点の楽しい内容です。
ひらがな一覧を開きながら読み進めると、一層よいですね。
このあとには、『カタカナダイボウケン』も控えています。

宮下すずか・文
みやざきひろかず・絵

薦めたい学年:1年生、読み聞かせ Level1
読み聞かせにかかった時間:10分/1話


   

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