恥ずかしがりのため、自分を表現することをしてこなかったアマンディーナは、ある日、得意な歌や踊り、お芝居を誰かに見てもらいたいと考えて古い劇場を借り、準備に取り掛かったが、必要なことをすべて書き出すことから始め、劇場の修復を済ませ、舞台装置や小道具から招待状に至るまで一人きりで用意し迎えたはずの開演に駆けつけてくれたお客さんは、一人もいなかった。
それでも気を持ち直し、舞台でひとり、決めた演目を一つずつこなし始めると、それを見かけた小さな虫から称賛の輪が広がりはじめ、少しずつ少しずつ、観客が増えていった。
出しものを終え、おじぎまで終えて、割れるような拍手を聞いたとき、初めて観衆に気がついたアマンディーナは、自分が最高の幸せ、その只中に今いることを実感したのだった。
字数も少なく簡単な内容ですが、人にどう見られているかを気にし始める3年生後半からの読み聞かせによいでしょう。
行動の前に、目的に向かったメモづくりをしているところなども、真似できれば素晴らしいですね。
他者からどう見えるかをいつも考えながら準備をしなければいけませんが、幕が開いたら、とにかく楽しんでやり切る。自分を出し切る。 そんな大切なことが表現されています。
セルジオ=ルッツィア・作
福本友美子・訳
(原題:AMANDINA)
薦めたい学年:読み聞かせ Level 3
読み聞かせにかかった時間:4分
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